ピアノの基礎って何?

ピアノの基礎って何でしょうか?
勉強やスポーツ、習い事など、何をするにしても基礎から始めますよね。
職人さんなどの専門技術を習得する時にも、下積みをつんで一人前になれると良く聞きます。

 

 

言うまでもありませんが、ピアノも基礎は大切で、これが出来ていなければなかなか上達出来ませんし、高度なテクニックを身につけることが難しいのは確かです。
では、何年くらいピアノを習えば身につくのでしょうか?

 

 

もちろん、始めたばかりの初心者の方で「基礎はバッチリ出来ています」というのは無理ですが、10年以上も続けている中級者の方でも自信を持って言える人に出会ったことがありません。

 

 

それどころか、「私、基礎が出来ていなくて」と言う人が多く、殆どは数十年以上やっている方です。
ピアノは子供の頃から習っている方も多いので、大人で趣味で弾いているという人でも、そのくらいピアノ歴がある人も珍しくないものです。

 

 

ですが、他の分野ならこれくらい長い間やっていればプロになっても可笑しくない年月ですよね。
また、その人たちに伺ってみるとハノンだったりツェルニーなどの練習曲をやってきた方もいらっしゃいます。

 

 

では、その人たちは練習時間が足りなかったかと言えばそうではないようです。
真面目て決めたことは継続して取り組むタイプの人が多いので、繰り返し練習することも珍しくないように思います。
ですが、反復練習したからといって、本当に上手くなるとは限りません。

 

 

返って悪くなったり、手や指を痛めてしまう場合など、結果はまちまちなんですね。
重要なのは、何を繰り返すかでしょう。

 

 

そもそもその練習をする目的の一つは、いつでも同じ動きが出来るように体に覚え込ませることです。
正しい良い動きならその場所を弾く時に習慣させることは必要ですが、悪い動きを繰り返したり、肩に力が入って強張って弾いていたら、いつでもそこの場所は悪い動きで弾くようになってしまいます。

 

 

こうなると練習すればするほど悪い弾き方が定着しますし、手や体にも負担がかかり、腱鞘炎など怪我のリスクも高くなります。
確かに練習時間は必要ですが、たくさんやったからといって、基礎が出来るとは限りません。
何かを弾いたら基礎が出来るという考えそのものを変えたほうが良いかもしれません。

 

 

自分が何処に力を入れて、どのような動きや感覚で弾いているかということに意識が向いていないことに問題があるのではないでしょうか。
そして、自分に合った自然な弾き方こそが、ピアノの基礎ではないかと思うのです。

 

 

その為、自分の弾き方を認識して、良くないところは改善していくことで、体の使い方でもあるピアノの基礎が出来上がっていくのです。
なお、赤ちゃんが両親の真似をして色々なことを覚えるように、人間は幾つになっても見て真似をするという生まれながらの能力があります。

 

 

したがって、先生や上級者から出来るだけ多くのお手本となることを見せてもらうことが、効率よくピアノが上達する上で大切でしょう。

 

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